今回は、Olight社のLEDライトである「S1R Baton 2」をレビューしたいと思います。
S1R Baton 2は、全長63mm程の小型なライトであるにもかかわらず、最大1000lmという明るさを実現しています。今回は限定色バージョンのモデルをレビューしますが、性能面では通常モデルと変わりはありませんので、S1R Baton 2に関して何かの参考になればと思います。
パッケージ及び内容物
パッケージ
内容物
内容物は、LEDライト本体、IMR16340バッテリー、バッテリーケース、充電ケーブル、収納用ポーチ、ストラップ、説明書です。
バッテリーはOlight製LEDライト専用のものです。バッテリーの種類はIMR16340で、+側端子は黒い絶縁体によって端子が仕切られています。容量は550mAhと、小型なバッテリーであるがゆえに、LEDライトでよく使われる18650バッテリーなどと比べると容量は少ないです。
充電ケーブルはマグネット式のもので、LEDライトの底面に取り付けて充電するタイプのものです。前回レビューしたLEDライト「Seeker 2」に付属していたものと全く同じ充電ケーブルです。 マグネットはLEDライト本体にも内蔵されているようで、固定力は比較的は強めです。この充電ケーブルにはケーブル根元にLEDインジケータが内蔵されており、充電中は赤く点灯します。
ストラップはストッパー付きのものです。メーカー品ライトではよく見かけるタイプのストラップです。
収納用ポーチは縦140mm、横90mmほどと大きめで、ライト本体だけでなく、バッテリーケースなどの付属品も一緒に収納することができます。外側は肌触りが良いように作られていますが、内部の見た目は付属品であるがゆえによろしくありません。
本体外観
限定色の本体はデザートタン色が基調で、クリップやベゼルは青色に塗装されています。黒基調ボディと違って黄土色のようなこの色は、周りの色となじみやすい感じがします。
サイズは全長63mm、直径21mmと非常に小型で、手で握ればライトを隠すことができます。置き場所を決めておかないとどこに置いたのかわからなくなりそうです。
ボディは、粗目のローレット加工がなされており、ごつごつした感じが特徴ですね。ライト本体が手の中に隠せてしまうほど小さいので、このローレット加工は滑り止めよりもデザイン的な要素が強いのでしょう。
ポケットなどに留められるようにクリップがあらかじめ取り付けられています。今までのライトは、クリップは付属しているものを自分で取り付けるものだったのですが、クリップが役に立ちやすい小型ライトであるからか標準搭載されています。
サイドスイッチは中央が少し出っ張っているタイプのものです。スイッチが小さいため、若干押しにくさを感じます。
スイッチ中央にはLEDインジケータが内蔵されており、バッテリー残量によって赤、黄、緑に点灯します。
残量60%超:緑色 | 残量10%~60%:黄色 |
残量10%未満:赤色 |
テールキャップ底面には充電用の端子がついています。テールキャップの内側の端子が1つだけでないことが画像から分かります。また、前回レビューしたOlight Seeker 2のように、テールキャップ側を電池の+極とする必要があります。電池を外すことはほとんどないと思われますが、極性は間違えないようにしましょう。
集光にはリフレクターではなくTIRレンズが用いられています。ただし、このTIRレンズはSeeker 2に使われていたものとは若干異なり、少ない光で遠くを照らせるようにレンズ中央が凸レンズに近い形になっています。そのため、ズーム式のライトに近いような配光になっています。
TIRレンズ中央にはLEDが見えます。使用しているLEDは、Cree社のXM-L2(英語サイト)というLEDです。大光量なLEDライトでは定番であったLEDですね。
仕様
使用LED | XM-L2 CW |
---|---|
モード | Turboモード 1000lm→300lm 1.5+37min Highモード 600lm→300lm 1.5+45min Midモード 60lm 3h40min Lowモード 12lm 20h Moonモード 0.5lm 192h ストロボモード |
最大到達距離 | 145m |
耐衝撃性 | 1.5m |
防水性能 | IPX-8(水深2m) |
本体材質 | AL6061-T6アルミニウム |
重量 | 51g(電池込み) |
サイズ | 63mm(全長)* 21mm(直径) |
使用電池 | IMR16340リチウムイオンバッテリー1本 |
使用してみて
明るさ
屋内か屋外かで使用するモードは分かれますね。Lowモードは屋内(家の中などといった比較的狭い空間))での使用に適しています。屋外はMidモードで、暗く感じたら、あるいは車などに自分の存在を気づかせたいときにはHighモードに切り替える感じですね。Highモード以上では本体が熱くなり、ランタイムも短くなってしまうのでほどほどに…
以下、屋外照射画像です。
コンパクトデジタルカメラにて”F値3.5、露出時間1/2、ISO速度100”にて撮影しました。また、ライトを手で支えて撮影しているため、画像にブレがあります。ご了承ください。(Moonモード(0.5lm)は暗すぎるため除外しています)
近距離照射画像
中距離照射画像
中距離照射では、前方奥にある木を照らしています。
LowモードやMidモードでは、奥にある木が照らされているのかどうかは肉眼でもわからないほど暗い状態でした。さすがにルーメン値が2桁の明るさでは遠くを照らすのは厳しいですね。
配光
配光はスポットよりなものとなっています。参考画像としてTIRレンズを搭載している「Seeker2」の画像を載せました。比較していただけるとわかるように、中心光と周辺光の境目がよりはっきりとしています。
充電
充電はマグネット式であるおかげで簡単に充電ができます。手に隠せるくらい小型なライトなので電池の取り外しはやりにくいですが、この充電ケーブルのおかげで電池を取り外さずに充電ができるので使いやすいと思います。
まとめ
手に完全に収まってしまう大きさのライトであっても1000lmもの明るさが出せるのはすごいですね。ランタイムが削られてしまうので1000lmで使用することはほとんどないと思いますが、何か優越感のようなものを感じます。
限定色であるデザートタン色に関してですが、今までLEDライトと言えばシルバーか黒基調であるというイメージが強く、茶色のような色はいまいちピンときませんでした。ですが、届いてみると最初は「ん?」となりますが、黒色よりも周りの色となじみやすく意外にも好印象な色合いでした。
欠点としてはランタイムが短いことですね…とはいっても、これは欠点というよりも小型ライトの宿命なのでどうしようもありません。
充電式なので、電池を交換して再度使用するなんてことはIMR16340バッテリーを余分に持っていなければできません。そのため、充電することができない場所や状況、例えば災害時などには向かないライトです。小型なのでサッと持ち出すことはできるのですが、その後の充電が問題になります。
明るさや、マグネット式充電ケーブルを用いた充電のしやすさは十分満足できるものなので、日常生活で使用する分には良いライトだと思います。
\ 10月11日限定 /